海上貨物市場の最新情報

 

1. 貿易戦争の影響により不安定な太平洋横断の取扱量  

  • 中国を除くコンテナ貨物は、20185月~20194月の運送業者の取扱量に基づくと、すべての太平洋横断の東行き取扱量68%を占めます。
  • 14社の太平洋横断の大手運送業者の中国を除く貨物の割合は、各社のそれぞれの総荷降ろし量52%90%です。中国の取扱量の低減により、海運会社に大きな影響が出ると考えられます。
  • 中国からの合計輸出額は、2018年の同期間に比べて2019年の最初の4か月で6.3%下落しました。
  • 今年後半の中国の米国へ残りの輸出額は、3,000億ドルですが、この金額への新しい関税の課税の可能性を含む、米国・中国間の貿易戦争のさらなるエスカレーションにより、総太平洋横断取扱量が-8%以上減少する可能性があります。一方、その他の極東からの輸出は、中国からの貨物の予想される減少を相殺するほど十分に伸びないでしょう。
  • オーシャン・アライアンス運送業者は、6月に3つの太平洋横断の休便を発表し、さらなる運送業者が続くと予想されます。
  • 中国の輸出は、次の段階の切迫する関税率に先立つ、出荷ラッシュにより、今後数か月の間に、急増する可能性があります。

 

 

上位14位の太平洋横断運送業者の東行き貨物量:

20185月~20194

 

 

2. 展望:

  • アジアから欧州:運送業者は、GRI(運賃一括値上げ)を要求します。
  • アジアからラテンアメリカ:AMLAへの従来のピーク期間に入ると、料金は、20196月半ばから上昇すると予想されます。すべての運送業者は、MX/WCSA/ECSAへの追加の容量を導入する計画を報告していません。  
  • アジアから北米:運送業者は、スポット・レートを持続可能なレベルに押し上げる取り組みの中で、休便による容量の調整を開始しました。
  • 欧州からアジア:スペースは、引き続き厳しくなっています。強い商品需要と組み合わさった休便により、スペースとコンテナの利用可能性に圧力がかかっています。
  • 北米からアジア:NACsの価格設定への柔軟性による、市場での安定した価格。従来の包括的価格設定を調整していなかった運送業者の場合、燃料のサーチャージは、Q3までに海洋基準価格から切り離されるでしょう 
  • アジアからアジア:FAK料金への大幅な変更は予想されていません。  

 

 

運送業者の結果:

業績を公表している上位11位の運送業者の内、最終的に黒字だった業者はわずか6社で、多くの場合、微々たる純利益でした。

参考文献:ALPHALINER

必ずGebrüder Weissの担当者に連絡して、特定の遠洋運賃のトピックについて話し合ってください。